これからお話するのは
少し前の話です。

5月の麻布俳句教室の吟行でのこと。
吟行地だった六本木の毛利庭園の池辺に
低木があり、白い花が咲いていました。
180504イボタノキ (338x450)

見かけない花でしたが、
池のそばに咲いている姿が印象的で、
メンバーのキヨ子さんに名を訊ねました。

ご存じないとのことでしたが、
句会から数日経って、キヨ子さんからメールが。
「正解出たかもよ! イボタノキのようです」と。
植物図鑑で探してくださったのでした。
さすが、植物博士、キヨ子さん!

イボタノキ。
想像力貧困な私は
その音から「疣のある狸」を想像しました。
漢字では、疣取木、もしくは水蝋樹。
モクセイ科イボタノキ属の植物です。
どうりでいい香りがしたはずです。

中でも毛利庭園に咲いていたのは、
プリベット(別名 セイヨウイボタノキ)
だったようです。

イボタノキ。
もちろん季題にはありません。

しかし、季題かどうかを知るのも
楽しいですし、
季題になかったとしても、
知らなかった植物のことが
わかることも楽しい。

麦の畑を遠くまで見に行った詩音さんといい、
見知らぬ花の名を図鑑で調べたキヨ子さんといい、
麻布俳句教室のメンバーは
フットワークが軽くて、
探求心が旺盛な人ばかり。
とても刺激になります。

さて、イボタノキの句はありませんので、
無関係ですが、
先日見つけた大きな大きな薊の花を
添えて夏薊の句を――。

これよりはスコットランド夏薊
岩岡中正

180528薊 (2) (338x450)

写真の薊はスコットランドではなく
麻布近辺に咲いていました…。