台風、大丈夫ですか。

身体が溶けるような暑さは
ここ数日おさまり、
気温が少しだけ下がりました。

聞くところによると
蚊は35度以上になると活動を休むそうです。
また、そろそろと動き出す頃かも
知れませんね。

すでに終了した
麻布俳句教室の7月句会の
兼題に蚊遣、蚊遣火がありました。

この蚊を遣るの「遣る」って
調べるまでは、
どちらの「遣る」なのかなと
疑問に思っていました。

蚊を「逃がす」(追い払う)方なのか、
蚊を「殺す」(「遣っちまう」)方なのか。

仏教の教えを考えたら、当然ですが、
調べると前者が正解でした。
無駄な殺生はしない――。
蚊が追い払らえれば十分なのです。

一方、現代の蚊遣は
蚊遣ではなく、蚊取です。
確実な殺虫力が自慢です。
いつの間にか人間だけ中心の世の中に。

正岡子規の句を読むと、
蚊遣の句がたくさんあることに
気づきます。

ですので、今日の締めは、
子規の蚊遣の句です。


君待つ夜蚊遣の杉のなくなりぬ

喰ひ残す蜜柑の皮の蚊遣哉

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昔は、蜜柑の皮を写真のように干して、
生薬にしたり、
蚊遣で焚いたりしました。
蚊遣には、樹木や草だけでなく、
蜜柑の皮も使ったのです。