麻布俳句教室

麻布で俳句――。「卯浪俳句会・麻布教室」で俳句を学ぶ仲間の活動記録です。

毎月第1土曜日開催の卯浪俳句会・麻布教室は、一緒に学ぶメンバー募集中です!当教室の詳細は、本ブログの「麻布俳句教室について」をご覧ください。 体験ご希望の方は、online@haiku.jp へご連絡ください。

2017年03月

誰かが鳩や雀に
餌をやるようになると、
その公園はたくさんの鳥の
人気スポットになりますよね。

餌やりの是非はともかく、
たまたま通りかかった
この公園も雀がた~くさん!!
写真に収めきれませんでしたが、
びっくりするくらいの数でした。

スズメ

1年中見かける雀も
雀の子、子雀、親雀、雀の巣
となれば、春の季題になります。
親雀が巣づくりをし、
タマゴが孵化し、子雀が巣立ちする春。
今は雀たちも
その準備で忙しい頃でしょう。

まだ子雀を見かけるように
なるまでには
もう少しだけ時間がかかります。

雀という文字を使った季題を
探していて、
今の季節により即したものを
見つけました。
雀隠れ。
若草のことなのだそうです。

若草が、雀が隠れるほどの
丈になった様子を
雀隠れ。
なるほど~。

おもしろい表現ですね。
残念ながら、雀隠れの俳句を
見つけることが
できませんでした。

今日は、
旧暦の3月3日。
旧暦のひな祭りです。

さて、昨日に続き、
紫色の春の花シリーズ。
今日の花は、ムスカリです。

ムスカリ
(写真、バランスがイマイチでしたね!)

近所の路地で
見つけました。
すぐ隣には、
か細いチューリップが
1本生えていました。
誰かが植え、その後、
忘れ去られたのでしょうか。

昨日も言いましたが、
何しろ下ばかりを見て
歩いていますから、
ムスカリの濃い紫色が
すぐに目に
飛び込んできました。

でも、下ばかり見ていては
もったいないですね。
モクレンや桜があちこちに。
椿だってまだきれいに
咲いています。

ヒヤシンスの仲間の
ムスカリは、
地中海沿岸から南西アジアの
出身の植物です。

だからなのか、
日当たりのいい場所が
好きなのだそうです。
私がムスカリを
たまたま見つけた場所も
午前中はよく
日が当たりそうな場所でした。

ムスカリを歳時記で
引いてみましたが、
ありませんでした。

仲間であるヒヤシンスの
季題は春。
和名は風信子(ふうしんし)。

ヒヤシンス妻亡きあとは地におろす
田村萱山

私が出合ったムスカリも
妻亡きあとに
地におろされたのでしょうか。



ムラサキハナナ。
ムラサキハナナ

なんだか、可愛い名前です。
しかし、姿は
こんなにしっとり。

春になって、
歩道を歩くときに、
ついうつむき加減に
なってしまいます。

なぜならば、
小さな小さな花々が
ひっそりと
咲いているのを
見逃さないため。

残念ながら、
私は知らない名の花が
多いので、画像に納めて、
あとで調べています。

ムラサキハナナ。
紫花菜は、
菜の花に似て
4弁花であることから
紫色の菜の花、
紫花菜と名づけられた
そうです。
4弁で十文字形が特徴です。

ムラサキハナナの和名は
オオアラセイトウ。
大きなアラセイトウ。
アラセイトウはストックのこと
ですから、
オオアラセイトウは
大きなストックの花。

ストックの季題は春。

包まれしストックの香と色ほどく
稲畑汀子

「港区小さな散歩」――。
このコーナーでは、
東京都港区内の
お薦めお散歩スポットを巡ります。
これまで、
増上寺の三解脱門、
善福寺の逆さ公孫樹
について書きました。
今日は、札ノ辻近くの公開空地です。

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春のお薦めスポットです。


さくら草

第一京浜を
品川駅から都心方向へ向かい、
札ノ辻の交差点のすぐ手前です。
住友不動産の高層ビルがあり、
その公開空地です。

この写真を撮ったのは
3月25日。
まだちょっと早いですが、
ピークには、まるで
ピンクの絨毯を敷き詰めた
ように芝桜が咲き誇ります。
今年も咲くといいなぁ。
今年はなんだか
元気ないみたいに見えたので
ちょっと心配です。

陽の当たるところは、
こんな感じで
すでに咲いています。


さくら草2

芝桜の季題はもちろん春。


また、ここには、
元和キリシタン殉教碑が
あります。
元和9(1623)年に、
徳川家光の命によって、
ここでキリシタン50人が
殉教したことから、
ここに碑が建てられています。


住 所: 東京都港区三田3-5-27
最寄駅: JR田町駅
      都営三田線・浅草線の三田駅


「句碑探訪」――。
先日は礼文島にある
句碑について
書きました。
今回からは、
東京都港区にある
句碑を中心に
訪ね回りたいと思います。

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古池や蛙飛び込む水の音
松尾芭蕉


俳句の中でも
最も有名な句のひとつ。
詠まれたのは
貞亨3(1686)年、
芭蕉43歳のとき。

隅田川に飛び込んだ
蛙の水音。
あとで、上句を「古池」に
したといわれています。


いずれにしても
有名な句なので、
句碑は全国各地に
たくさんあるようです。
清澄庭園にもあるとのこと。
今度、撮ってこようと
思っています。 

この句の多数の句碑のうち、
恐らく
最も忘れ去られているのが
この句碑では
ないでしょうか。

宝珠院弁天堂 芭蕉句碑


増上寺やプリンスホテルに
隣接する宝珠院に
ひっそりと、
それはあります。

ご覧のように
もう一部が埋まっていて
「とびこむ」の
「とび」までしか読めません。

碑の裏を見ると、
この碑が建てられたのは
文化のようです。
文化何年かはわかりませんが、
文化は1804年から
1818年までなので、
芭蕉が詠んでから120年後に
建てられたことになります。


宝珠院の方に伺ったところ、
このお寺は330年を
超える歴史があり、
以前は増上寺の
一部だったとのこと。
分かれたのは戦後だそうです。

ここに句碑が建てられた理由は
わかりませんでしたが、
増上寺の一部だった時代に
建てられたことは確かです。


宝珠院が創建されたのは
貞亨2年とのことですから、
芭蕉が蛙の句を詠む1年前。
何かのご縁を感じます。

もしかして、この句碑の
達筆な文字のところに
建てた由来、もしくは
ヒントになることが
書かれているかもしれませんが、
達筆過ぎて読めませんでした。
残念…。

宝珠院は芝公園の
一部のような場所にあります。
宝珠院の敷地外になりますが、
このお寺の横には
池もあります。

決して広くない
お寺の敷地ですが、
この句碑は
見つけづらいです。
もしいらっしゃたら、
宝さがし気分で
探してみてください。 

【宝珠院】
住所:東京都港区芝公園4-8-55
最寄駅:大江戸線・赤羽橋駅
目印:「弁財天」の幟
 

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