麻布俳句教室

麻布で俳句――。「卯浪俳句会・麻布教室」で俳句を学ぶ仲間の活動記録です。

毎月第1土曜日開催の卯浪俳句会・麻布教室は、一緒に学ぶメンバー募集中です!当教室の詳細は、本ブログの「麻布俳句教室について」をご覧ください。 体験ご希望の方は、online@haiku.jp へご連絡ください。

2017年06月

近所の花屋さんの
店先がトロピカルでした。

ブーゲンビリア、ハイビスカスが
並んでいました。

ハイビスカス

ブーゲンビリアとハイビスカス。
角川学芸出版の『俳句歳時記』には
ブーゲンビリアは掲載がないのですが、
『ホトトギス俳句季題便覧』には
ともに夏の季題として載っています。

ハイビスカスは中国南部原産。
和名は、仏桑花(ぶつさうげ)、
あるいは琉球木槿(むくげ)。

タヒチの絵かけてハイビスカス咲かせ
内藤芳子

一方のブーゲンビリアは、
南アフリア原産の熱帯植物。
和名は、筏かづら。

夜も暑くブーゲンビリア咲き乱れ
山本暁鐘

湿度のある暑さを感じます。

この二種類の花の句。
少し昔に詠まれた俳句の場合、
沖縄などに旅行した時に
詠まれていることが多いです。
水牛や旅先という言葉が
多くの句に登場します。

今は、ふと通りかかった
花屋の店先でも
トロピカルな俳句を詠むことができます。
……。
あれっ? おかしいなぁ。
う~ん、詠めません!



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昨日投稿した「麦の秋」。
加筆しましたので、
併せて読んでいただけると
嬉しいです。
青字部分です。

***********

6月の句会の兼題は、
蝸牛(かたつむり)です。

でんでんむし。
ででむし。
まいまい。
かたつむり。
かたつぶり。
蝸牛(かぎゅう。旧仮名=くわぎう)

♪でんでんむし、むし
かたつむり♪
の「でんでんむし」は、
『語源由来辞典』によると、
「出出虫(ででむし)」が
転じて「でんでんむし」に
なったそうです。

♪つの出せ、やり出せ、
あたま出せ♪
と「出ろ」と命じたことから
出出虫。

ででむし、蝸牛の
イメージといえば、
紫陽花の葉の上や
葉の裏にくっついている
イメージ。
雨を連想します。
_ajisai_katatsumuri
そうです、上のイラストのイメージ。

あるいは、ゆっくりとした動き、
触角、
かたい殻、
ぬめっとした肌…。

高濱虚子が書いた
『俳句の作りよう』という
本があります。

そのタイトルどおり、
俳句のつくり方が
示されているのですが、
虚子は、作句法は
2つに大別できると言っています。
ひとつは、
まったく別の物と題を組み合わせる配合。
二つ目は、
題をひたすらに「じっと眺め・案じ入ること」です。

かたつむり。今はありきたりの
イメージしか持っていませんが、
「じっと眺め・案じ入って」みたいと思います。

そういえば、もう何年も、
かたつむりを観察したこともない。
記憶を手繰り寄せて、
「じっと眺め・案じ入る」ことはできないので、
画像、動画、実物探しから
始めてみます。





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麦の秋至る。

麦が実り、収穫の時期。
つまり、今時を
「麦秋(ばくしゅう、旧仮名:ばくしう)」と
いうそうです。
別名、「麦の秋」「麦秋(むぎあき)」。

麦が実る季節を
知らなかったので、
これは素直に
麦秋とは秋のことだと
思っていました。

季節を誤解してしまいそうな
言い方、他にもありますよね。

小春日和とか。
小六月とか。
……。
これしか思い出せませんが…(笑)。

これを読まれた翡翠先生が
「『竹の秋』や『竹の春』もそうよ」と。
「竹の秋」とは、春先に竹の葉が
黄色くなる様子。
黄葉みたいなので、「竹の秋」。
でも、季節は春。
逆に、「竹の春」の季節は秋。
他の植物が落葉する時期に
枝葉を青々と茂らせることから
竹の春というそうです。


さて、麦秋。
どのような句があるか
ネット上で探してみると、
案外、雨の句が多いです。

そして、蕪村や一茶も
麦秋の句をたくさん
詠んでいることも発見でした。

でも、ここでは、
麦秋の「秋」という語に
込められた「実り」を超え、
「活力に満ちた植物」の
感じが伝わる次の句を。


麦秋やはうれん草は木のやうに
細見綾子

冬とか春に収穫し
忘れられたのでしょうか。
ほうれん草がすごいことに。



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詩音さんのおうちの
ベランダで白い花が
満開だそうです。

きれいな花の写真を
送ってくれました。
詩音さん、ありがとう!!

さて、これは何の花でしょう。
コリアンダー

コリアンダーの花だそうです。
コリアンダー。
中国料理では香菜(シャンツァイ)、
タイ料理ではパクチーの名で
お馴染みの、あのコリアンダーです。

コリアンダーに日本の名があるって、
ご存知でしたか。

コエンドロというそうです。
何だか、スペイン語とか
ポルトガル語みたいな響きですね。

と思って調べたら、
江戸時代に渡来し、
ポルトガル語でコリアンダーを
意味するcoentroが
そのまま使われるように
なったそうです。

となると、コリアンダーが
知名度を上げるまでに
ずいぶんと時間がかかったのですねぇ。
私がコリアンダーに出会ったのは、
1980年代とか1990年代の気がします。
仮に、その頃、一般に名が広まったと
仮定すると、苦節、200年とか300年とか。

そんな辛抱強いコリアンダーの花は
初夏に咲きます。
しかし、和名のコエンドロでも、
コリアンダーでも、
シャンツァイでも、パクチーでも、
俳句歳時記には掲載されていません。

ですので、この可憐な花を
俳句に詠みたいときは
別の季題を入れて
詠まねばなりません。

どなたか詠んでいらっしゃらないかと
ネットで検索してみましたが、
見当たりませんでした。

そこで、同じくヨーロッパから
渡来したクレソンの句を。

クレソンの花の中から通し鴨
佳田翡翠

クレソンの花の
開花時期は4月から6月頃。
しかし、こちらも季題ではないので、
翡翠先生は、通し鴨という
夏の季題で詠まれています。

通し鴨は、北の国へ帰らずに
日本に残って水辺で
雛を育てる鴨のことです。



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たしか、ゴールデンウィークの
前半だったかと思います。
近所の中華屋さんに
「冷し中華始めました」の
看板が。

「え~、まだ4月なのに早過ぎない?」
と、そのときは思ったものですが、
こんなに暑くなった今、
もう違和感はまったくありません。

「冷し中華始めました」の看板を
写真に撮ろうと、昨日、
その中華屋さんの前まで
行ってみたのですが、
もう看板は下ろされていました。
すでにレギュラーなメニューに
なってしまったのですね。

コンビニのお弁当売場にも
冷し中華が並んでいます。
もう本格的に夏ですね。

今年の初・冷し中華、食べましたか?
food_hiyashichuka
冷し中華も夏の季題です。
もちろん、冷麦、冷そうめんも。

角川学芸出版『俳句歳時記』に
次の句がありました。

冷し中華時刻表なき旅に出て
新海あぐり

七彩の冷し中華やひとりの夜
加瀬美代子

そうですよね、冷し中華って、
みんなでワイワイ食べるというより、
〝おひとり様〟っぽい感じ、
ありますよね。



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