麻布俳句教室

麻布で俳句――。「卯浪俳句会・麻布教室」で俳句を学ぶ仲間の活動記録です。

毎月第1土曜日開催の卯浪俳句会・麻布教室は、一緒に学ぶメンバー募集中です!当教室の詳細は、本ブログの「麻布俳句教室について」をご覧ください。 体験ご希望の方は、online@haiku.jp へご連絡ください。

2021年08月

昨日8月28日、卯浪俳句会初のオンライン吟行句会が開催されました。
卯浪では毎年、全国の俳句教室の会員を対象とした合同吟行句会が開催されていましたが、おととし2019年2月の合同句会を最後に開催が見送られています。

今回は初の試み、オンライン形式での吟行句会ということで、関東地区の11教室から47名の会員が参加しました。

ところで、「オンライン句会」であれば、もはや珍しくはないですが、「オンライン形式の吟行句会」とはどういうこと??
答えは、「指定された日に各自が吟行し、そこで作句したものを投句、句会のみをオンラインで行う」という方式です!

今回は、8月7日が 吟行日に指定されました。
この日は立秋。各自立秋を意識しながら作句し、5句を投句します。
参加者からの投句は、後日、清記用紙(句のみで、作者の記載はない一覧表)として事前に配られます。参加者も、その中から特選(一番良いと思う句や好きな句)を1句選んでおきます。
事前に配られた清記用紙には295句が並んでいます。
その人がどれを選句したかで、どの程度の実力かが分かるといいます
肖子先生からは、「“選句力”というのも数をこなして培われます」との叱咤激励が。。。

そして当日。
参加者が一人ずつ、自身の特選を発表した後に、講師の先生お一人ずつの入選句&特選5席が発表されるという流れでした。
オンライン句会

講師の先生方の選評は、いつもは卯浪の会報での読みものですが、どのように句を解釈され、味わわれたのか、どういう観点で選をされたのか、特選1席と2席の差は何だったのか、などなど、直接熱く語られるのを聞くことができ、多くの気付きとなりました。

句会終了後、オンライン句会に一緒に参加した美奈子さんと、近所にお住いの鉄馬さんと、リアル反省会。
オンラインもいいですが、対面して俳句の話を出来るのはやはり楽しい!
一日も早く、日常が戻ることを祈るばかりです。

オンライン吟行句会の結果は、後日お知らせします!




今晩はパラリンピックの開会式ですね。
そして思い出すのが、麻布教室初代講師の翡翠先生の一句です。

色鳥やパラリンピック始まるよ 佳田翡翠

「色鳥(いろどり)」が秋の季題です。
いくつか歳時記を調べてみました。

  松永貞徳の俳諧式目『御傘』に『色々渡る小鳥を
  いふ』とあるように
古くより用いられてきたが、
  翼の色の美しい小鳥を賛美する意も
込めて詠まれ
  て来ている。(ホトトギス新歳時記 稲畑汀子編)

  いろいろの鳥と、色とりどりの美しい鳥とをかけて、
  秋の小鳥の
渡りについて言う総称。
  (新歳時記 平井照敏編 より抜粋)

  ・・・色彩の美しさを中心に、個々の名にとらわれず
  小鳥を呼ぶもの
と言ってよい。したがって、小鳥と、
  それを見る人間との関係の
親しさの出る句が多い。
  (俳句小歳時記 水原秋櫻子編より抜粋)


多くの努力を積み重ね、様々な壁を乗り越え、東京に集まってきたパラ選手たちの晴れ舞台を彩るような季題ですね!

写真はオリンピック開会式の日のブルーインパルスです。
IMG_3574



今日は二十四節季の処暑。暑さがおさまる日だそうです。東京はその通りとなり、風に涼しさを感じた日でした。

そんな中で、春にさかのぼって4月の麻布教室メンバーの特選句・入選句をご紹介します。


「金波集」
小川龍雄先生選
入選
ねんねこに包まれて見る初桜 一剣
目の端に椿一輪落ちにけり 一剣

辻桃子先生選
入選
少しだけ下る坂道菫咲く 詩音
蝶の昼途絶へ途絶へのリコーダー 一剣
機窓より都の灯春おぼろ 詩音
初蝶や祖母の形見の花鋏 佳織

「銀波集」
飯川三無先生選
入選
艶やかに朝日に光る柿花芽 キヨ子
賑はひの眼科のうねり花の雲 如翠
家蜘蛛や我が物顔に巡回す 道楽
団長の白手袋や風光る 鉄馬
大空よアスパラガスの穂は立ちぬ 美奈子

田丸千種先生選
特選
菜の花と空を分けゆく一両車 栄子

入選
花曇り仙洞御所の塀つづく 栄子
ほろ苦き山の恵みに春惜しむ キヨ子
朝影にちろりちろりや落椿 如翠
家蜘蛛や我が物顔に巡回す 道楽
団長の白手袋や風光る 鉄馬
浮子ゆれて風か当たりか水温む 鉄馬
大空よアスパラガスの穂は立ちぬ 美奈子

山﨑貴子先生選
特選
菜の花と空を分けゆく一両車 栄子

入選
ほろ苦き山の恵みに春惜しむ キヨ子
目黒川漫ろ歩きて春惜しむ 如翠
山椒の新芽かをるや棘痛し 道楽
団長の白手袋や風光る 鉄馬
大空よアスパラガスの穂は立ちぬ 美奈子

 「小波集」(兼題:花)
飯川三無先生選
入選
花巡り杖持つ妻の三歩後 一剣
花の下人集めたる猿の次郎 一剣
母も子も犬も見上げて花吹雪 鉄馬


毎月、麻布教室句会への投句とは別に、卯浪俳句会にも投句します。
今年度からは、メンバーは金波会員と銀波会員に分かれての挑戦です。
「銀波」には初心者講習受講後であれば、どなたでもOK。
「金波」は日本伝統俳句協会員であることが条件で、より厳選となります。

また今年から新たに「小波」というオプション投句が加わりました。
こちらは兼題2句を投句します。

メンバーの4月の投句結果から、追ってご紹介いたします!



麻布教室ブログをご担当くださっていました香深さんご多忙により、
しばらく佳織が担当させて頂きます。

翡翠先生という大きな支えを失ってしまった麻布教室。
先生の訃報を受けた直後、幹事の一剣さんが、メンバーに
「このような時だからこそ、俳句は続けていきましょう」と
リードして下さいました。

そしてこのたび、二代目講師として、今井肖子先生をお迎えしました。
翡翠先生に育んで頂いた麻布教室は、肖子先生の下、活動を続けていきます。
追って、肖子先生のご紹介ページを掲載します。

小石川後楽園の蓮池
202107小石川後楽園 蓮池
202107小石川後楽園 蓮の花

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