麻布俳句教室

麻布で俳句――。「卯浪俳句会・麻布教室」で俳句を学ぶ仲間の活動記録です。

毎月第2土曜日開催の卯浪俳句会・麻布教室は、一緒に学ぶメンバー募集中です!当教室の詳細は、本ブログの「麻布俳句教室について」「佳田翡翠講師について」をご覧ください。 体験ご希望の方は、online@haiku.jp へご連絡ください。

カテゴリ: 季題(季語)を少しずつ

俳句を始めてみると、
びっくりする季題に
遭遇することがあります。

思い起こしてみると、
ビックリ第1号は
「小鳥」でした。

「え、小鳥なんて
年中いるじゃない?」
と思い、頭の中が
??? となりました。

いろいろな小鳥が
秋になると渡ってくるから
小鳥は秋の季題だったのですね。
今でも、小鳥と聞くと
あのときのビックリを思い出します。

ということで、今日は鳥のお話です。

6日の日曜日、
風虎さんからとても可愛い
写真が送られてきました。
不忍池までウォーキングし、
面白い風景を発見して
思わず撮られたもの。
風虎さん、ありがとうございま~す!!
190106風虎さん不忍池ゆりかもめ (450x253)

ゆりかもめの整列です。
杭に1羽ずつとまっているのが
なんともお行儀がよくて。
見えにくいかもしれませんが、
木の陰の杭にも
ずらりととまっています。

ゆりかもめは、
ユーラシア大陸ほぼ全域に
生息している鳥。
ユーラシア北部で繁殖して、
冬季は日本などのアジアやアフリカで過ごします。

冬には頭部が白いですが、
夏には頭部から顔面にかけて
黒い毛に変わります。
ゆりかもめが夏を日本で
過ごすことはほぼないので、
国内でツートンカラーの
ゆりかもめを見ることはありません。

風虎さんに送ってもらった
写真のゆりかもめも
色白です。

ゆりかもめは
漢字だと百合鴎と書きますが、
日本で見るときは
百合のように白いからですね。
ツートンだったら
きっと別の名になっていたことでしょう。

都鳥ともいい、
季題は冬12月。
都鳥はもともとは関東での
呼び方だったのだそうです。

都鳥水汚れたる世となりし
岡安仁義

都鳥空は昔の隅田川
福田蓼汀


『伊勢物語』以来、
都鳥は隅田川とペアで
和歌や歌謡にうたわれてきました。





今日の午前中、
全国的に部分日食が
3年ぶりに見られたのですが、
ご覧になりましたか。

今年もはや6日。
今日から小寒に入りました。

今週末は麻布俳句教室の
初句会です。

兼題は、大根と注連飾です。

注連飾といえば、
暮れに銀座の三越に行ったところ、
注連飾の特設コーナーが
できていました。
素敵な注連飾が数々並ぶ中、
こんなに豪華な注連飾もありました。
注連飾 (2) (338x450)

下世話な話ですが、
いくらだったと思いますか?

25920円(税込)でした!
我が家に、もし、
こんな高価な注連飾を飾ったら、
なくなりはしないかと心配で
見張りに立つかも知れません。

この特設コーナーには、
ちゃんと注連飾の説明が
されていました。

それによると、

注連飾のもととなる「注連縄」は、
古くは「古事記」「日本書紀」などに
「シリクメナワ」という名称で
登場するとのこと。

「シリクメナワ」は、
邪気を防ぐ結界のような役目を果たし、
縄を張った内側に
邪気が入るのを防ぎ、
清浄な空間にしてくれるのです。

これから転じて、
年末に、年神様をお迎えする準備として
注連飾を家の内外に飾るように
なったそうです。

古井戸のつかはぬままに注連飾
山口青邨


おお、井戸があれば
井戸にも飾りますね。
たとえ、もう使っていなくても。

地域や用途によって
いろいろな注連飾があるそうです。
IMG_3517 (338x450)

そういえば、少し前まで、
注連飾を付けている車を
よく見かけました。
最近は見かけませんね。

注連縄を外すことを
注連明(しめあけ)といい、
これも新年の季題。

いつ注連明するかは
地方によっても、時代によっても
違うらしいのですが、
小正月を過ぎたらという説と
松の内が過ぎたら、という説がありますが、
最近では松の内が過ぎたらというのが
一般的になっているようで。
となると、明日、明後日には
外さなければ、ですね。

昨日、12月22日は冬至でした。
北半球で冬が最も短くなる日。
粥やカボチャを食する日。
そして、柚子湯に入る日です。
onsen_capybara

近年では冬至のニュースで
なぜかカピバラが柚子湯に
つかっているところが
もっぱら放映されます。
というのも、カピバラは温かいところを好む動物で、
温泉に入っているところを
見られる場所は全国にかなりあるようです。
「カピバラ温泉ベスト16」
ですので、各地のニュース番組で
紹介されることが多いのです。

冬至に関係する季題は
冬至以外にも、
冬至粥
冬至梅
冬至風呂
冬至湯
があります。

冬至梅(とうじばい)は、
冬のうちから咲き出す
冬の梅、寒梅のことだそうです。


朝日より夕日こまやか冬至梅
野澤節子


先月、日本伝統俳句協会の
関東支部大会で成田山新勝寺に
行ったとき、境内で
菊花展を開催していました。

恥ずかしながら、
そのときに「懸崖」という言葉を
初めて知りました。

そして、先日、
六義園にでかけて、
懸崖の菊を再び見つけ、
写真に納めました。
懸崖菊 (338x450)

少しずつでも
言葉が身になるのは
俳句のおかげです。

今月の麻布俳句教室の
吟行地は銀座と日比谷でした。

銀座や日比谷は
俳句にもたくさん詠まれているのに
実際、詠もうとすると
難しいものだとわかりました。

そこで、今日は、
銀座に小料理屋「卯浪」を構えていた
鈴木真砂女の銀座の句を
いくつか記してみます。


イブの空鴉が渡る銀座かな

築地詠み銀座を詠みて日短

銀座にも鴉雀よ鳥総松


まだまだたくさんありましたが、
今の季節に比較的近いものを
3句だけ。

ちなみに、鳥総松(とぶさまつ)は、
門松を取り去った後の穴に
その松の一枝を差しておくこと
だそうです。

これも初めて知った言葉です。

最後に、翡翠先生が
真砂女の訃報を聞いて
詠まれた句を。


真砂女逝く銀座の柳芽吹く頃
翡翠


鈴木真砂女は、
2003年3月14日に逝去。
享年96歳でした。


俳句を始めると、
見える景色が変わる――。
よくそんな話を聞きます。
全く同感です。

この冬まで、季節外れに咲く花など
横目でちらっと見るくらいで、
あっという間に記憶の外に
消え去っていました。

ところが、11月11日に
日本伝統俳句協会の関東支部大会に
参加したとき、躑躅の花が
ぽつぽつと忘れ咲きをしており、
一緒に吟行していた
一剣さんから「帰り花」というのだと
教えてもらいました。
(帰り花は冬11月の季題)

そして、通常は「帰り花」といえば、
桜のことなので、躑躅の花ならば、
その名を補うことも。

あれからわずかに2週間。
世の中にはこんなに
忘れ咲きの花があるのかというほど
いろいろな花の「帰り花」を
目にしました。
今まで、気づかなかっただけ、
というのか、心のアンテナの
感度が悪かっただけなのでした。

もったいないことをしました。

有名な、

朝顔や釣瓶取られてもらい水
加賀千代女


の句碑がある薬王寺の「朝顔の井戸」が
今、このように文字通り
朝顔の井戸になっています。
IMG-3346 (338x450)

12月に朝顔が咲いているとすれば
奇跡の「帰り花」ですが、
これは本物なのでしょうか。

近々確認しに行ってこようと思います。




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