麻布俳句教室

麻布で俳句――。「卯浪俳句会・麻布教室」で俳句を学ぶ仲間の活動記録です。

毎月第1土曜日開催の卯浪俳句会・麻布教室は、一緒に学ぶメンバー募集中です!当教室の詳細は、本ブログの「麻布俳句教室について」をご覧ください。 体験ご希望の方は、online@haiku.jp へご連絡ください。

カテゴリ: 季題(季語)を少しずつ

二十四節気は
立春、雨水、啓蟄、
春分が終わり、
清明に入りました。

今年は4月4日から
4月19日が清明です。

清浄明潔を略した
言葉と言われ、
万物が溌剌としている
ことから清明という
そうです。

修善寺寒桜

角川の『俳句歳時記』に
次の句がありました。

清明の雨に光れる瑠璃瓦
古賀まり子



毎年4月1日から7日は
義士祭です。

東京高輪の
萬松山泉岳寺では、
毎年この期間、
祭事が行われます。
泉岳寺

この中門を入ると、
大石内蔵助像に
迎えられます。
泉岳寺2

今年の義士祭の頃は
ちょうど桜が満開で、
境内でのんびり
お花見ランチの人々も
見かけました。

泉岳寺の境内には、
義士記念館もあります。
それ以外にも、
浅野家、赤穂浪士に所縁の
ものがたくさん。

たとえば、

泉岳寺3

この門は、
義士の墓へ向かう
入口の門ですが、
もともとは赤穂藩の
上屋敷の裏門だったもの。
明治期にこちらに
移築されました。

あるいは、

泉岳寺4

大石内蔵助の息子、
大石主税にちなんだ
主税梅。
大石主税は討ち入り後、
伊予松山藩の中屋敷に
お預けの身となり、
そこで切腹しました。
その中屋敷に植えられていた
梅が泉岳寺に移し替えられた
そうです。
伊予松山藩中屋敷は、
現在、在日イタリア大使館です。

義士祀る中に若きは右衛門七
高濱年尾

右衛門七とは、
矢頭右衛門七(やとうえもしち)。
大石主税の次に若い
十八歳でこの世を
去りました。


 

3月の終わりに撮った写真です。

シデコブシ

花びらがいっぱいなので、
四手辛夷(しでこぶし)かと思います。

あまりに清らかで、
白い花びらがまぶしくて、
思わず写真に収めました。

辛夷と聞いて
何を思い浮かべますか?
ベタですが、私はどうしても
「北国の春」by千昌夫です。
1979年のヒットといいますから、
いやはや40年近く前!!

「白樺 青空 南風
辛夷咲く あの丘
北国の ああ北国の春」ですね。

作詞のいではく氏は
長野県南佐久郡南牧村の出身で、
いわゆる北国出身ではありません。
しかし、おそらく、
故郷の春の光景を思い起こして
書かれたものだと想像できます。

辛夷が咲いて、
「待ちに待った春が来た」と
思う気持ちが伝わってきます。

さて、その辛夷ですが、
木蓮と同じ仲間。
北国だけでなく、全国の山地に
自生しています。
季題はもちろん春。

『ホトトギス俳句季題便覧』に
こんな句がありました。

風出でて辛夷の花の散る日なり
藤松遊子


風は春を連れてきてくれますが、
春の花々を散らしてしまう。
春の風はいろいろです。

そして、もう一句。

どこからも辛夷の見える林かな
佳田翡翠


誰かが鳩や雀に
餌をやるようになると、
その公園はたくさんの鳥の
人気スポットになりますよね。

餌やりの是非はともかく、
たまたま通りかかった
この公園も雀がた~くさん!!
写真に収めきれませんでしたが、
びっくりするくらいの数でした。

スズメ

1年中見かける雀も
雀の子、子雀、親雀、雀の巣
となれば、春の季題になります。
親雀が巣づくりをし、
タマゴが孵化し、子雀が巣立ちする春。
今は雀たちも
その準備で忙しい頃でしょう。

まだ子雀を見かけるように
なるまでには
もう少しだけ時間がかかります。

雀という文字を使った季題を
探していて、
今の季節により即したものを
見つけました。
雀隠れ。
若草のことなのだそうです。

若草が、雀が隠れるほどの
丈になった様子を
雀隠れ。
なるほど~。

おもしろい表現ですね。
残念ながら、雀隠れの俳句を
見つけることが
できませんでした。

「お墓参りした?」と
母から電話が来ました。
一瞬、「?」。

そうです、昨日は
春分の日でした。
お彼岸のお墓参りをしなければ。

今年の春分は、
3月20日に始まり、
4月3日まで。
お彼岸は3月17日から
23日まで。

毎年よ彼岸の入に寒いのは
正岡子規

確かに今年の彼岸の入り
(3月17日)は例年よりも
少しだけ気温が低めでした。
それでも最高気温15度。

それよりも、
こんなにシンプルな句でいいのか…。
と感心するばかりです。







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