麻布俳句教室

麻布で俳句――。「卯浪俳句会・麻布教室」で俳句を学ぶ仲間の活動記録です。

毎月第1土曜日開催の卯浪俳句会・麻布教室は、一緒に学ぶメンバー募集中です!当教室の詳細は、本ブログの「麻布俳句教室について」をご覧ください。 体験ご希望の方は、online@haiku.jp へご連絡ください。

カテゴリ: 俳句の周辺

『笑う子規』という本を
電車の中で読んだら、
困ったことになるかも
知れません。

大声で笑うというより
ニタニタ笑ってしまいます。
車内でニヤつくおばさん…。
かなり危ないです。

この句集は、新年、春、
夏、秋、冬の部に分けて、
子規の句の中から
「おかしみのある句」、
「笑う句」を集めています。

笑う子規

特に、秋の部が
私にはツボです。

稲妻や大福餅をくう女

琵琶聴くや芋をくうたる顔もせず

そして、
この句集には
妙な人が結構登場します。
たとえば、
食べ物を持って
走っている人…。

夕立や豆腐片手に走る人

鮭さげて女のはしる師走哉

確かに、この人たち、
走る必要はありますが、
子規さん、なぜ俳句に?

【笑う子規】
著: 正岡子規
編: 天野祐吉
絵: 南伸坊
発行: 筑摩書房
金額: 700円(税抜)

2月24日のブログに、
「卯浪の意味は?」を
投稿しました。

その中で

あるときは船より高き卯浪かな
鈴木真砂女

の句を記しました。

鈴木真砂女さんは、
明治39(1906)年11月生まれ。
平成15(2003)年3月14日に
逝去されました。
享年96歳。

真砂女さんが逝去されたときに
私たち麻布教室の先生、
佳田翡翠先生が詠まれた句です。

真砂女逝く銀座の柳芽吹く頃
佳田翡翠

真砂女さんは、
久保田万太郎さんに
師事した俳人です。
千葉・鴨川の旅館の娘として
生まれ育った真砂女さんは、
人生の大波小波をくぐり抜け、
二度目の離婚後、
昭和32(1957)年3月に
銀座1丁目に小料理屋「卯浪」を
開店しました。

その店は、お孫さんが後継され、
営業されていましたが、
今はもうそのお店はありません。
いろいろ調べてみると、
その店は立ち退きにあい、
平成20(2008)年に
閉店しました。
その詳細は「
銀座経済新聞」に
載っています。

しかし、その後、再び
開店されたようです。
場所は、銀座1-5-14。
ただ、この店も今はありません。
閉店された時期はわかりませんが、
平成26(2014)年に
営業されていたことは確かです。

その「卯浪」のあった場所に
行ってみました。
手前の格子戸のところが
卯浪があった場所で、
新しいお店が入店していました。

卯浪跡

しかし、今も、
小料理屋「卯浪」の様子は
見ることができます。

まだ「
食べログ」にも
掲載されています。
(「掲載保留」の注意書き付きですが)

あるいは、
小料理屋 卯浪の日常」という
ブログがまだ生きています。

これらから、店内の様子や料理を
知ることができます。

ミツマタ

少し前、天現寺にお参りした
ときに見つけた
三椏(みつまた)の花です。

そうです、
小学校のときに
和紙の原料は
「こうぞ、みつまた」と
勉強しました。
あの、三椏です。

葉が出るよりも先に
まるで小さなポンポンが
枝についているように
黄色やオレンジの花が
咲きます。

三椏の花の季題は春。

三椏は、枝が三つに
分かれているから
三椏というそうです。
三つに分かれた枝
それぞれに花が咲きます。

三椏の花三三が九三三が九
稲畑汀子

楽しい句ですね!






 

「美しき花も
その名を知らずして
文にも書きがたきは
いと口惜し」

正岡子規さんが
そうおっしゃっています。

私の場合、
知識レベルは
比べようもなく
ずっとずっと低いですが、
気持ちはまったく同じです。

春になると、
出かけるたびに
たくさんの種類の
花に遭遇します。
ところが、名前がわからず、
俳句にすることはおろか、
ブログに書くことも
容易ではありません。

そういうときに
「春 黄色い花…」などの
ワードで検索して
花の名にたどり着ける
現代は何と便利でしょう。

これまで何度も
画像から探す植物図鑑」や
みんなの趣味の園芸」など
専門のウェブサイトの
お世話になりました。

その中で見つけたのが、
Mr.Tの花の名前がわかるブログ
という個人ブログです。
左カラムに「ブログ内検索」があり、
キーワードを入力すると
該当する花がリストアップされます。

優れているのは、
カメラがご趣味ということで、
画像のクオリティが高いこと。
加えて、花の名を調べたい人が
判別しやすいように
花びらの数、葉の形などが
よ~く見えるように撮られて
いることです。

子規さんと同じ気持ちになったら、
Mr.Tさんのブログを
訪ねてみては
いかがでしょう。

近所の和菓子屋さんで
柏餅を売っていました。
4月15日のことでした。
早いですね、もうすぐ5月です。


柏餅

祖母と暮らしていた頃、
冬にはこたつで甘酒を作り、
春にはヨモギを摘んできて、
蓬餅を作ってくれました。
端午の節句が近づけば、
祖父が笹の葉を
取りに行き、
祖母が粽(ちまき)を
作ってくれました。

あの頃は、
甘酒は甘すぎて
嫌いだったし、
蓬餅よりもプリンの方が
好きでした。
今にして思えば、
なんともったいないことでしょう。

そんなこんなで、
私の中で
端午の節句といえば、
粽です。

粽解く葭の葉ずれの音させて
長谷川櫂

葭は「よし」です。
粽を開くときのカサカサ音が
葭の葉がこすれ合う音に
似ているということでしょうか。

ものの本によれば、
柏餅は「五月五日の
端午の節句に粽と共に
供える」とあります。
柏餅と粽はセットだったのですね。
知りませんでした。

柏餅古葉を出づる白さかな
渡辺水巴

確かにこの色の
コントラストはくっきりです。

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